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アルファポリス
72 Spirits of Solomon The King

Archangel : Michael

神に似たる者は誰か - Michael, "Who is like God?"

司る方位:西 四大元素 : 火

ミカエル - Michael, その名はヘブライ語で「神の火」「神に似たる者は誰か」、或いは「誰が神のようになれようか」を意味する。天使のなかでは、人々に最もよく知られた天使のひとりである。ミカエルについてはモーゼの黙示録をはじめ、ダニエル書、エノク書等にも記述がある。ガブリエル、ラファエル、ウリエル等と共に神の御前に立つ大天使のひとりとして数えられている。西を司り、四大元素のうち火を守護する。 グリモワールによっては、南を司るとする場合もある。本来はカルデアで信仰された地方神であったという。勇敢な戦士として知られる存在であり、天使の軍団長である。しばしば絵画においては孔雀の羽を持ち、甲胄を纏ってサタン(サマエル或いはルシファー)を表す竜と戦う姿で描かれる。大天使であると同時に熾天使として6枚の翼を持つともされる。イスラム教ではミカイール Mikhail がミカエルにあたる。

聖書外典であるモーゼの黙示録では、モーゼに十戒を授けたのがミカエルだとされている。ダニエル書ではミカエルこそがイスラエルの守護天使であることが示されている。エノク書では、ミカエルはガブリエル、ラファエル、ウリエル等と共に堕落した*ベネ・ハ・エロヒム或いはグリゴリ("見張るもの")達と人の間に生まれた巨人によって人々が脅かされ、救いを求める叫びを聞く。

黙示録においては、ミカエルは天使達を率いて**赤い竜と戦う。この赤い竜がサタン、及びルシファーと同一視されているためか、中世頃からミカエルとルシファーを二律背半の存在として描くようになった向きもある。その際に発生した伝承では、ルシファーはミカエルより「わずかに浅黒い」存在として現れるようである。

ミカエルは最後の審判の天使として、人の魂を秤にかけ、天国と地獄に行くものを分けるとされているが、これはエジプトの神・アヌビスから影響を受けているといわれる。***アヌビスは魂を冥界に導くものであり天狼星シリウスと同一視されるが、これはミカエルも同様である。

また冥界に魂を送るものである****ヘルメス(メリクリウス)神の特性も、初期のキリスト教が異教徒を取り込もうとする際にミカエルに吸収されることになった。ミカエルのドラゴンと戦うという特性も、古代ではしばしばドラゴンが大地の力を表していたことを考えれば驚くにはあたらない。ミカエルに捧げられる礼拝堂はこれら異教の聖地の上に建てられ、ミカエルは周囲が望むか望まぬかは別として、これら古代神に代わるものとして受け入れられたのである。

”オルレアンの処女”ジャンヌ・ダルクには13才の時に、ミカエルのお告げがあったととも言われている。


*ベネ・ハ・エロヒム - bene ha 'elohim, "神の子ら"、またはグリゴリ Grigori, "見張るもの"とも呼ばれる。地上を監視する天使の集団であったとされる。アザゼル及びシェムハザを指導者として、地上での受肉に合意した。結果として彼らは地上で美しい人の娘達に惑わされ、肉欲の罪を犯す。これら堕落したもの達は、人間に化粧をはじめとした虚飾の知恵を与えたため、永劫に罰せられることになった。人と彼等の間に生まれたのが巨人であるネフィリム Nephilim であり、神は洪水によって総てを押し流し、地上を清めたという。エノク書に詳しい。

**赤い竜 - ヨハネの黙示録・12章に現れる、7つの頭と10本の角、そして7つの冠を頭上に被っている竜の事。サタンの化身であるという。このサタンであるが、ルシファー、リヴァイアサン、ベールゼブブ等とも同一視されている。

***アヌビス - Anubis, エジプトで崇拝されていた死者の神 。黒い犬またはジャッカルの頭部を持つ半獣、もしくはジャッカルの姿で現される。セト神の妻であるネフティス女神と、彼女の兄であるオシリス神の間に生まれたとされる。

****ヘルメス - Hermes, ギリシア神話におけるオリュンポス十二神のひとり。ローマ神話におけるメリクリウス Mercurius である。旅人、泥棒と羊飼いの守護神で、神々の伝令役をよく務めた。商業の神でもある。また死者の魂を冥界に導く役割も果たすという。



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