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アルファポリス
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72 Spirits of Solomon The King

68-Belial

我も光には違いない - Belial, The Shadow Illuminated

Belial - ベリアル Baalial, Beliar, Beliel バーリエル、ベリアー、ベリエルとも。ソロモン72柱の1柱にして、地獄の侯爵である。また七大君主のひとりとして数えられている。50の悪霊軍団を支配する。かつては織天使であったといわれる。あるいは力天使であったとも言われる。召喚されると、炎の戦車に乗り、美しい声で語る二人の天使の姿で現れる。望めば召喚者に良い召使を与えるという。すなわち、富と権力を得ることに力を貸す存在だ。支配、辛抱、労働を司る。また7大君主としては、7つの大罪のひとつである色欲を司る。

ベリアルは死海文書を含めたユダヤ教及びキリスト教の聖典において、最も堕落した悪魔と語られる存在である。その外面の優雅さと美しさとは異なり、最も放埒で卑猥な堕天使・悪魔と呼ばれており、その精神は堕天する前から悪徳におぼれたものであったとされる。創世記の神と堕天使の戦いにおいて、神に反逆したルシファー軍に身を投じ、敗走した後には地獄でルシファーにつぐ実力者として君臨しているという。ソロモン王に召喚されたさいには何故か王の御前で踊ったという。バルトロマイの福音書では、ベリアルはかつては自分が”神の伝令”を意味するサタナエル Satanael という尊称で呼ばれていたが、しかし神に反逆して地獄(タルタロス)を管理する天使を意味するサタナス Satanas と呼ばれるようになった事、また自らこそが神によって造られた第一の天使である事を述べている。しかしどの名前も実は「悪魔」「敵」を暗示しているので、どちらにせよ堕落すべく造られた存在と考えられていた様子は伺える。

名前はヘブライ語で Beli yo'il, ベリ・ヨイル、無価値であるとまことしやかに伝えられている。ただし、隠された意味はこれだけかといわれると、それはまず違うだろうということになる。ベリアルはかつてカナン地方で奉られていた豊穣の神であった。当時崇拝されていた数多くの神の1柱であり、ようするにユダヤ氏族にとって、敵対勢力によって奉られていた神格だった。そのため、意図的に悪い意味だけが残された可能性も高い。Baal ial, バール・イアル、誇りの神、あるいは驕りの神もまたベリアルのの異名である。誇りの部分よりも奢りの意味合いのほうが強く取られた結果、現在の堕落したベリアルのイメージが先行することになったのだろう。敵対存在であることは楽ではないらしい。

旧約聖書「ヨブ記」や、偽典「イザヤ書」の前半部分である「イザヤの殉教」において**マタンバクス Matanbuchus の別名の記述がある。文中でのニュアンスとしては、「ならずもの」「よこしまな者」及び「憑きもの」ぐらいの意味合いと思われる。

ヤコブス・デ・テラモによる中世の奇書・「ベリアルの書」においては、法と法廷の在り方に精通する一面を見せた。「個人が地獄の権利に干渉し地獄、地上及びそこに住む者の支配権を強奪した」罪でイエスを訴え、負けはしたが、地獄の悪魔たちが最後の審判の後、不正として地獄に堕とされた者全てに権威を振るって良いことを認めさせたのである。

ベリアルに対しては、召喚にあたって注意が必要である。何故なら、しばしば召喚したものとの主従が逆転するからだ。まあ、どの魔神・悪魔を呼び出そうとも、十分に気をつけない限り同じ事が言えるのだが。




*「王たる者に向かって『よこしまな者』と言い、つかさたる者に向かって、『悪しき者』と言うことができるであろうか。」(ヨブ記 34:18, 公協訳聖書 聖書共同翻訳プロジェクト)*参考ページはこちら

**マタンバクス Matanbuchus - And Manasseh turned aside his heart to serve Beliar; for the angel of lawlessness, who is the ruler of this world, is Beliar, whose name is Matanbuchus. - Martyrdom of Isaiah 2:4 (訳・マナセ (ユダ王)はベリアルに心を傾け、彼に仕えた。ベリアルは無法の天使にして世界を治める王、今ひとつの名をマタンバクス)ヘブライ語の mattan buka から。意味は「無益な」または「価値の無い」恩寵。 もしくは mithdabek 「とり憑く」から。



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