【本の感想】最近読んだ本の感想です。実際にはもっと以前に読んで、書こうと思っていたのに遅くなっていたのですけど。
湿地帯 (二見文庫・シャーロッテ・ローシュ) [ Check! ]
まずはこの本から。これは食事中に片手間に本を読む癖のある方にはおすすめできません!何故って食事を噴出しちゃうから。と、言うわけで、手に取ったなら是非本腰入れて読んでください。
表紙がなかなかオシャレで意味深です。
まずは軽い気持ちでページをめくります。
ヒロインのヘレンはなんともガーリッシュでお下品。キュートなティーンで奔放かつ大変魅力的。ではあるのですが、どうにもはじけすぎたキャラクターの持ち主らしく当初は映ります。なにせこのヒロインが最初に語り始める話題、それは…自身のオシリの…アレのこと。そう、アで始まるアレです。タイトルの「湿地帯」が暗示するがごとく、この本はヒロインが女性のデリケートな部分に関してぶっちゃけるとんでもないものなのです!
話もいきなり彼女が入院する所から始まります。それも、○○○の処理を失敗、大量出血してしまったというのが原因。そしてしゃべるわしゃべる、「カリフラワー」を初めとして下半身の話題がぽんぽん飛び出し、もはやヘレンをだれも止められない。そんなわけでわけで最初は結構キワモノ的な印象が強いのです。
が、読み進めて行くと、ヒロインは単に能天気でちゃらんぽらんな少女、というわけではない事に気が付いていくことになります。むしろ逆です。
読み薦めるにつれ、実はヒロインは彼女なりに家族を愛していて、気を使うたちの女の子であることが解ってきます。そして、デリケートな心が傷ついている事も。これは後半まで読み進めないと解りません。
入院をきっかけにして、ヘレンは家族を繋ごうとします。そして開眼する真実。彼女の最後の選択。実はこの物語は新手の人魚姫の物語といえるかも知れません。少なくともヘレンは、人魚姫同様、勇気を持って真実を受け入れ、自分から道を進んでいくのです。痛みは残るとしても。ついでに、痛いのが地上を歩く足ではなくてオシリだとしても。人魚姫よりかなりラッキーな点は、王子様はちゃっかりゲットした点ですね。
作者であるシャーロッテ・ローシュの自伝的な要素もあるという「湿地帯」、クセはかなりありますが、おすすめの一冊です。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++犬の力(角川文庫・ドン・ウィンズロウ)
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「わたしの魂をつるぎから、わたしのいのちを犬の力から助け出してください。」旧約聖書,詩篇-22
2冊目はこの本です。メキシコを舞台に展開する、壮大な怒りと悪の物語。麻薬撲滅に取り憑かれるDEAの捜査官アート・ケラー。麻薬カルテルの後継バレーラ兄弟。高級娼婦ノーラ。神父パラーダ。無慈悲な殺し屋カラン。30年に及ぶ壮絶な麻薬戦争によって、人生を翻弄される彼らを突き動かすもの、それは「犬の力」。
米国政府、麻薬カルテル、マフィアら様々な組織の思惑が交錯し、物語は疾走し、やがて集結していきます。
タイトルにもなっている「犬の力」は、本来聖書に現れる言葉で、悪の象徴ですが、この物語では怒りから生じる負のエネルギーを指しているようです。
人間があまりにも人間的であるがゆえに生じる、目を背けたくなるような残虐さも、淡々とした視線で語られるため、緩和されて読みやすくなっています。反面、行われる悪と怒りの恐ろしさから目をそらすことは出来なくなります。そしてその悪を焼き尽くすために必要となる力も、また怒りであるという、皮肉。
一応、ラストは望みうる最低限のハッピーエンドとはいえるのかも知れません。はたから見れば、それが十分悲劇的であるにしても。
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まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫・三浦 しをん)[ Check! ]
東京のどこかにあるまほろ市。その駅前にある「多田便利軒」の経営者・多田啓介。ある日高校の時の友人?行天春彦が転がり込んでこの話は始まります。
幸福の再生の物語です。読むだけなら30分でも読めそうだけど、30分では読み終えなくてすむ貴重な本。テイストは軽いのに、じっくり読みたくなるからです。多田と行天のやりとりも面白いんですが、兎に角個性の強い登場人物ぞろいにもかかわらず、各自の個性がぶつかり合ってもケンカしないのがさらにユニーク、不思議に心が和む空間を作り出している気がします。
コミック化もされているようですがそちらは未読。最近続きが単行本で出たようです。そちらも読みたいと思っています。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++WEB拍手いつもありがとうございます。
メッセージくださった方もありがとうございます。
こちらが伝えたものが解りやすかったようで何よりです。